前半 ~奈川編~は、こちら

友を訪ねる旅後半は、安房トンネルを抜け、飛騨へ。

まずは、高山に一泊します。飛騨って、山に囲まれて、どこからもすごーく行きにくい所・・・と思っていたのですが、意外や意外、長野からすぐでした。

ここでは、筋金入りの山ガールおっきーと会いました。

神岡に住む彼女は、資格取得のための講習を受けに高山に通っている、とのことで、高山にで一緒に夕ご飯。

地理の苦手な私は、「神岡」と言われても、飛騨市だということはよくわからないながら、「小柴教授のスーパーカミオガンデのある場所だ!」というの位は分かり、ちょっと親しみが。

夕方だったので時間は少なかったのですが、古い町並みを案内してもらったり、郷土料理に舌鼓を打ったり。

地元の人に、風習やら、食べ物の話を聞くことのできる旅、というのは本当に贅沢で楽しいものです。

お土産に、東京ではなかなか手に入らない、上質のえごまや、乾燥ゼンマイ(ぷりぷりで、超美味!でした)をいただき嬉しい♪

翌朝は、陣屋朝市へ。

お店を並べているおばちゃんたちとのやり取りも楽しいです。

ついつい色々買ってしまいました。

眼が釘付けになった足長像。

こちらは、手長像。

造り酒屋さんの杉玉、美しいです。

造り酒屋さんでは、その年の新酒ができたら青い杉の葉で杉玉を作って軒につるすのだそうです。

だんだん茶色くなっていくことで、道行く人にもその熟成度合いがわかるのだとか。粋ですよね。

続いては一路古川へ。

ここには、私が会社員時代にいた横浜の小さな研究所で、とてもとてもお世話になった大先輩のご夫婦が、早期退職後に移住して住んでおられます。

ずっとずっと会いたかった。

実は、このお二人、テレビ朝日の「人生の楽園」にも登場しています。

なのでご本名も大公開(もちろんご了承は得ています)。

会社員時代、純子さんは、施設・ファシリティ関係の仕事をされていました。

研究所中で知らない人はいない有名人で、誰もが困ったことがあると純子さんを探していたのですが、おっちょこちょいの私も入社当時からいつも頼りにしていましたし、「ももちゃん、ももちゃん」と本当に可愛がっていただきました。

男女雇用均等法など施行されるずっとずっと前から共働きで、二人のお子さんを生後8週間から預けて働いてこられた方なのですが、常ににこにこ太陽のように笑っておられた私の大尊敬する(でもとても楽しくて気さくな)方です。

一方、ご主人の宮沢弘さんは、「工作室」もしくは「技術室」と呼ばれるところの、スーパー設計士兼技術者でした。

研究開発の仕事をする中で、私は、「人と違うことがしたい」という気持ちがとても強かったのですが、そのために欠かせないのは、自分なりに工夫した道具や治具、そしてオーダーメイドの実験装置。

そんな時に道具や治具を作ったり、実験装置を改造してくださったのが宮沢さん。

私が実験の目的や困っていることを拙い言葉で説明すると、鉛筆でささーっと図面を引き、必ず期待以上のものを作ってくださいました。(こうやって書いていても、涙が出て来るほど、あったかい研究所だったなぁ、と懐かしく思い出します)

そんな宮沢さんは、早期退職をしてなんと木工職人になるために飛騨で修業を積まれたのです。

今は、木工もしながら、畑をしたり、「そば処すごう」を営んだり(前述の人生の楽園の記事をご覧ください)、ワサビを作ったり。何足もの草鞋を履いておられます。

大きなモミの木のある家に到着すると、お二人が懐かしい笑顔で迎えてくださいました。

そして、夏休みで遊びに来ているお孫さん二人も!すぐに息子と仲良しになり、まるで従兄弟のよう。

元民宿だったという広い家に泊まらせていただき、飛騨の暮らしのお話を聞いたり、昔話に花を咲かせたり、満天の星空を見上げたり、バーベキュー、花火、蛍狩り、息子は残暑見舞い書き・・・と田舎のない私達は、まるで自分の田舎に帰ったかのようにくつろぎ、楽しみました。

こちら弘さんの工房。

仕事を助ける道具は美しいです。

旅の〆は、もちろん「そば処すごう」で。

冬は豪雪地帯となる飛騨ですが、蕎麦の生育にはとても向いているそうです。

「そば処すごう」のお蕎麦、写真を撮るの忘れてしまったのですが・・・お世辞とか、ひいき目とかなく、本当に美味しかった!

しっかりと蕎麦の味がして、品もあり、コシものど越しもちょうどよい。私は、普段ワサビをいただけないのですが、宮沢さんたちの作るワサビは、新鮮で香りがよく、私も楽しむことができました。

そして、お孫さんたち一押しの「そばプリン」も滑らかで、香ばしい蕎麦の味・・・不思議・・・美味しい!

麦と二毛作で作ってるから、ちょっと混ざっちゃうんだよ~と宮沢さん(写真は、麦に少し蕎麦がまざったもの)。栽培して、粉を挽いて、そばを打って・・・と全部自分たちでやっているからこそのお味なんですね。

ちょっと遠いですが、国道沿いでわかりやすいので、お蕎麦好きの方、機会があれば是非立ち寄ってみてください。

という訳で、私たちの友を訪ねるささやかな夏休みの旅はこれにて終了。

大好きな人たちが、移住などで引っ越してしまうのは寂しいことですが、一方で全国、全世界に自分も好きで親しめる場所がどんどん増えていく、というのは本当に嬉しく幸せなこと。

旅のいい所ご紹介、のつもりで書きはじめたのですが読み返してみると、超個人的な投稿になってしまいました・・・ごめんなさい。