昔から、あまりテレビは見ていませんでしたが、それでも好きだった番組はいくつかありました。

その中のひとつが、Ryu’s Barという村上龍のトーク番組でした。

今、調べてみたら、1987年10月4日から1991年3月31日となっているけれど、そんなに昔の番組だったのかな?結婚してから見ていたように思っていたのですが、まだまだ学生ですね。

たぶんその番組の中でだったと思うのです(記憶違いかもしれませんが・・・)。おひょいさんこと、藤村俊二さんが、「杏(あんず)の種から本物の杏仁豆腐を作った」とおっしゃっていたのが・・・。

「杏仁豆腐」って、その名のとおり、杏の種の仁(じん:種の中の白い核)を使って作るものなんですって。

杏・・・出ました、私の尊敬するバラ科の実^^
桜、梅、桃、りんご、アーモンド、苺、さくらんぼ、すもも etc… バラ科は美味しい恵みをたくさんくれるのです。

本当に美味しい梅酒を造るためには、梅の種の中の仁から香り高いエキスがでてくるまで実を漬けておいたままにするとよいといいます。

アーモンドなんて、まさにその仁の部分を食べるんですよね。

梅干しの種を割って、中の仁を食べたことのある方もいらっしゃるのでは?

そんなわけで・・・

「いつか必ず、作ってみたい!」と思ってから、早20数年、ずっと忘れたことがありませんでした。・・・私、けっこう執念深いですね(^^ゞ

そして、ついにそのチャンスがめぐってきました!

昨年11月ごろ、友人が「貴重な在来種の干し杏を入手しました。欲しい方にわけてあげます」とつぶやいていたのです。

即座に、「ほしい!」と手を挙げた私。自家製味噌との物々交換がめでたく成立しました。

そして・・・!そこに一緒についてきたのです!さらに貴重な、在来種の杏の種!!

ドキドキするほど嬉しかった。

冬休みまで大切に取っておいて、いよいよ作りましたよ、息子と。

これが、在来種の杏の実(干したもの)。

そしてこれが、在来種の杏の種。

もんのすごく堅いんです!!

夫がかなづちで叩いて割ってくれました。

中に入っているのがウワサの仁です。

ちっちゃいアーモンドみたいでしょ?ちょうど手の爪くらいの大きさです。

二度と手に入らないかもしれない貴重なものだから、慎重に調べ、こちらのレシピを参考にさせていただき、多少アレンジして作ってみました。

水に浸すこと5,6時間、茶色い皮が浮いてきたので、これを丹念に剥きます。

こんな感じ。この時点で、素晴らしい香りが漂ってきます。

「あぁ~~~~!!!杏仁豆腐!」と息子。

これを、水と一緒にブレンダーでがーっとやり

漉して絞ります。

ちょうど、ローフードのナッツミルクを作るのと同じ手順です。

ここに、牛乳、寒天、てんさい糖を加え、混ぜながら弱めの中火でゆっくり温めます。

沸騰する直前で火から下ろし、少し粗熱を取ってから、ふやかしておいた板ゼラチンを加えます。

さらに冷めてきたら、生クリームを加え、そーっと寒天型に流しいれました。

冷えて固まったら、別に作っておいた干し杏(本体)のシロップ煮をかけて出来上がり!

こちらのサイトには、『ちなみに「日本原産種の杏の種の種が平らなやつでは美味しく出来ない」みたいです。』と書いてありますが、そんなことありません。

素晴らしい香りの正真正銘、本物の杏仁豆腐が出来ました。

願っていればかなうんですね~(小さいですが・・・)。

長年の想いが叶った、嬉しい嬉しいデザートでした。