久しぶりに本のことを書こうと思います。

一冊目

先日アファンの森に行った時に、紹介していただいた「C.Wニコルの生きる力」。

これまで、C.Wニコルさんのエッセイや自伝はほとんど読んできたと思いますが(小説はあまり読んでいません)、この本は、そんな私も心が震え、背筋が伸びるようなものでした。

もちろん、これまでニコルさんの著書を何も読んだことがない方にもお薦めできます。

ひ弱でいじめられっ子だったウェールズの少年が、北極探検に行きたい一心で体を鍛え、その過程で日本の柔道家と出会い、日本の美しさを知り、日本の自然を守るために移住、帰化。(←もちろん、大幅にはしょっています)

ニコルさんは、本当に強くて優しくてかっこいい方です。

日本人であるということを改めて考えさせられ、この美しい森と海のある国、先人たちの智慧をちゃんと子ども、孫、その先の代まで美しいままで残さなくてはいけない、という気持ちにさせられました。

「自然とともに生きることは死とともに生きること」。心に刻みたい言葉です。

もしニコルさんのこと、日本の森のことを知りたいと思ったら、まずお薦めするのはこの一冊です。

実は、この本、「ソリストの思考術」というシリーズの第二巻です。

ジャケットの内側に書いてあった文章

「ソリストとは・・・
時流や流行にとらわれず、自分の信じる道を進み、一つのスタイルを築き上げた人。
信念ある行動でまわりの人を巻き込み、一つの大きなムーブメントをつくりだした人。」

「進むべき道は己で選び、切り開く。それがソリストの生き方である。」

何度も読み返してしまいました。胸に響く言葉。

で、なんとこの第一巻は、もう一人私が尊敬する帯津良一先生でした。

二冊目

「帯津良一の生きる力」

帯津先生は、川越にある帯津三敬病院を創設された、がんを専門とされる医師ですが、非常に早い時期から西洋医学の治療に、東洋医学や気功、そしてホメオパシーなどのホリスティック療法を取り入れたことで有名な方です。

今だって、ホメオパシーなどのホリスティック療法や代替療法は、残念ながら攻撃の的となることは多いです。

1980年代に、このようなことを、お医者様の立場でスタートされた、というのは、並々ならぬ努力と勇気、信念があってのことだと思います。

一つ一つの言葉に深く頷かされ、勇気をいただきました。

ここのところ私自身も色々(と言っても些細なことばかりですが)なことがあったのですが、帯津先生も書かれているように、場のエネルギーを高めていけるような人になれるよう、日々の営みや関わりを大切にしたいです。

そして、三冊目はこちら

「1/4の奇跡」

息子と私が通っている歯医者さんで紹介された本です。

自主上映の映画もほうぼうで上映されているようですし、「かっこちゃん」と呼ばれる養護教諭の山元加津子先生の講演会は、どこでも大盛況とのお話ですので、ご存知の方も多いかもしれません。

かっこちゃんが、石川県の特別支援学級で出会った人たちのことが、ご自身の繊細な言葉で綴られています。

一つ一つのエピソードは、どれも心の深いところに響いてきて涙をこらえることができません。

この題名の由来。

猛威をふるうマラリアのため、何度も壊滅的な打撃を受けているアフリカのある村で、いつも必ず生き残るグループがありました。

この「生き残り」グループの遺伝子を代々にわたって調べたところ、ある一定の割合で、伝染病に非常に強い突然変異遺伝子を持って生まれてくる人たちがいることがわかりました。

ところが、このような人が生まれる時には、必ず4分の1の割合で、その兄弟に成人前に亡くなってしまうような重度の障害(鎌状赤血球症)を持つような人が生まれるのだそうです。

つまり、「強者の遺伝子」を持って生まれる人の陰には、必ず「引き受ける人」が必要であった、ということなのです。

医療が発達しても、出生前診断のようなことが可能になっても、ある一定の割合でいわゆる「障がい」を持った人、というのが生まれてきます。

日頃不自由なく生活している私たちは、このことをちゃんと考えてみる必要があるのだと、強く思いました。

短い間にこの3冊の本に出会ったことは、私にとって大きな意味を持つことなのだろうと思います。

たくさんの出会いに感謝して、自分のできることを一つ一つ丁寧にやっていこうと改めて感じました。