連休初日と最終日2日は、頭痛、熱でダウンしていたが、真ん中はしっかり楽しんできた。

ホールアース自然学校での「森と畑のようちえん」。
ホールアース自然学校は、富士のふもとにある、自然の地形を生かした広い土地を持つ学び舎。以前から妹が惹かれて通っていた場所であり、長いこと訪れたいと考えていた地であるが、昨年秋、初の幼児(&親)プログラムとして企画された「森のようちえん」に参加し、私たちもすっかり魅せられてしまった。

森のようちえんは、1960年代デンマークで生まれた幼稚園のスタイルであり、園舎を全く持たない、もしくは簡素なものを持っていてもその中ではほとんど過ごさない。夏の暑い日も、冬の凍てつく日も、雨の日も、雪の日も、一日中森の中で自由に過ごし、大きな人は小さな人の世界に極力介入せず、自然との関わりの中での育ちを見守る、というようなものである。欧米では、完全な森のようちえんのスタイルであったり、あるいは、シュタイナー教育と組み合わせたような形であったり、方針、土地により、それぞれ独自のやり方があるという。

秋のプログラムは、日本での第一人者である小菅江美さんを迎えての「子ども探検隊」や「夜の探検隊」。息子は、最初はちょっと怖がっていたものの、存分に楽しんだようで、帰宅直後からまた行きたい、また行きたいと連呼していた。

そして、今回は、二回目。小菅さんはいらっしゃらなかったが、ホールアース自然学校の名スタッフであるゴルゴとありっちょは、笑顔で待っていてくれた。

息子は最初からテンション上がりっぱなし。最初の挨拶の後は、動物達にも挨拶し、早速下のフィールドへ。斜面を滑ったり、ひょうたん池でおたまじゃくしや蛙を取ったりした後は、夜ご飯のための収穫。よもぎ、いたどりなどの野草を取ったり、大根や小松菜の間引き菜をいただいたり。探検隊長転じて畑隊長となったゴルゴに、畑のことを教わり、動物達からのプレゼント、ホカホカの肥料を土に埋め、スイカやナスの苗を植えた。夕方は、焚き火でおやつのバームクーヘンを作ったり、畑の看板を作ったり。

翌日も、朝のたけのこ掘りに始まり(今まで何度となく掘ってきたたけのこだけれど、今回初めてたけのこの生え方から、一番根本から掘るコツなどを教わった!)、動物(ウサギ、ポニー、ヤギ、鶏)の世話、溶岩染め(私はこれが一番楽しかった)、川遊び、昼食のたけのこ餃子作り・・・等々、盛りだくさんで楽しんできた。
溶岩染めは、スタッフのお一人(妹とも親しいらしく、わざわざ挨拶に来てくれた)が、2年かかって編み出したものだそうで、なんともいい味の色合いに染まりあがる。手を浸していても、なんだかすべすべになる感じがする。みんなの作品が新緑の中はためいている様子がすがすがしく、いつまででも眺めていたい気分になった。

息子も、ブヨに刺されてぼこぼこの顔になっていたが「一番楽しかったのは畑仕事!」と言い切り、「また来るからね~」と号泣しながら別れを惜しんでいた。
たった1泊2日だったが、日常を忘れ、新鮮な空気をいっぱい吸い、暖かい笑顔に囲まれた気持ちの良い時間を過ごしてきた。

次は夏、また訪れることができるといいな。
家に帰ったら、改めてうちにプランターのイチゴ、青梗菜、きゅうり、人参がいとおしく思えてきた。
そして、ホールアースの余韻に浸りながら、いただいて来たたけのこで筍ご飯を作り、皮で酵母を仕込んだのだった。