早朝に出勤し、夜は夜でホメオパシーの分析をする(相談に来て下さった方に最適のレメディを選ぶため、面談を行った後、お話された内容を分析、レメディの調査などをします)日々でした。

レメディ選びは、ひと段落、先ほどイギリスに発注し、ほっとしたところです。
なので、ようやくブログ書き~

先週の金曜日、友人に誘われ、よこはまシュタイナー教育の会主催の講座を受けに行ってきました。

その名も「ゲーテの自然観察」。

名前からして、なんだかよくわからず、面白そうじゃないですか!

講師は、井手芳弘先生。福岡で「ペロル」というシュタイナーのお店をやりながら、手作り教室、シュタイナー勉強会、ライア作りの会などを主催されています。時々エッセイを読ませていただいているのですが、ともすれば堅苦しくなりがちなシュタイナーの思想が、ユーモアを交えて語られています。

シュトゥッツガルト(ドイツ)でシュタイナー教員の勉強をされたことは、なんとなく聞いていましたが、中学校の理科の教員をされていたこともあるのだそうです。

講座の内容の紹介文を引用させていただきます。

「私たちの周りに存在している外の世界は私たちの存在とは無関係な、独立したものだと考えられがちです。
しかし、外の世界は、私たちの働きかけなしには存在していないことを、実際に深く観察し、今まで見えていなかったことを発見していく中で、実感していきたいと思います。
その体験を通して、私たちが周りの世界の深いところを感じるためにはどうしたらいいか、そのことをどのように、子どもとの関わりの中に生かしていけるかを共に考えたいと思います。」

というわけで、期待にあふれながら、「舞岡ふるさと村 虹の家」に向かいました。

のっけから「外を見てみましょう。何を見ていますか?山が見えますか?竹やぶが見えますか?見ているのは、外の世界ではなくて、自分を見ているのです」と。

「???」

井手先生が、シュトゥッツガルトで学びを得た時のお話などまじえた講義をしばらく聞いた後、早速外に出かけて行きました。

先生からの指示は、「自分の気になる植物の前に立って下さい。まずは、最低3分、その植物を見てください。何か発見したこと、疑問に思うこと、心に留めておいてください」と。

私は、ちょうどいま、花の蕾や木の芽から作ったレメディを用いるジェモセラピー(Gemmotherapy)について学んでいるところでもあり、少しずつ花や木の芽が芽吹きだしているこの季節は、色々な意味でタイムリーでした。

私が選んだ1本の木。小さいつぼみが付いているのかと思いながら、よーく見てみると、実は木の芽らしい。硬い、硬い殻を、まさにたった今破ったばかり、と言った感じの木の芽に出会うことができました。こんなに小さく、柔らかそうに見える木の芽が、なぜこんな硬そうな殻を破ることができるのでしょう!「芽吹く力」というのを目の当たりに見たような気がしました。

ジェモセラピーの授業で、花の蕾や、木の芽は、動物で言うところの幹細胞(指令により、どのような臓器の細胞にでもなり得る細胞、また、自らを複製、再生する能力も持っている)を多く含む部位であるからこそ、強い浄化や治癒のエネルギーをもつのだと習いましたが、井手先生も、やはり、蕾と木の芽は、もともとは同じもので、その植物の成長の意思(という言葉は使っていませんでしたが)に応じてどちらにでもなりうる、とおっしゃっていました。

皆で集まり、梅の木や桜の木が、どうしてあのような形をしているのか、なぜあのような花の付き方、葉っぱの生え方をしているのか、ということを、観察しながら教わり、まさに目からうろこが落ちるような気持ちでした。

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新たに気付いた時に、新しく開かれる。

今までわかっていると思っていたことがわからなくなる。

そしてまた、それが見えるようになる瞬間。

問いが生まれれば、答えはその内側に入っている。

問いは自分からしか生まれることはなく、問いが生まれる、ということがすなわち魂の活動、なのだそうです。

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そして、何に対しても、敬意を払うと、愛情や興味が芽生え、相手を知りたいと思う気持ちが生まれてくる、との言葉。

何度かブログにも書いているように、ここ最近「いのち」について、考えることが多かった自分、ホメオパシーに向ける情熱が少し落ち着いてきて、次の一歩をどう踏み出そうと考えている自分、相談に来て下った方に、どういった距離感で接するべきか迷っている自分、そして、ジェモセラピーという新しい世界もちょっとのぞき始めた自分。

まさに、今の私のためにあったかのような講座で、すとんと心に落ちてくる、素晴らしい体験でした。