今日は「立秋」です。
暦の上では、今日から秋。
でも、今年は特に、
その「暦の上では」という言葉が、空々しく感じられませんか?
今年から、「酷暑日(こくしょび)」という新しい言葉が、
気象庁の予報用語として正式に使われるようになりました。
最高気温40度以上の日のことです。

これまでの「猛暑日(35度以上)」では、
もう表現しきれなくなった、ということなんですよね。
そんな年に、「今日から秋です」と言われても、
ちょっと笑ってしまいそうになる、と言うのもよくわかります。
そもそも、立秋などからなる二十四節気という暦は、
今から2500年ほど前、中国の黄河流域で作られたものです。
農作業のタイミングを知るための目安として、太陽の動きをもとに一年を24等分したもの。
地形や緯度により、暑さや寒さののピークは1か月ほどずれたりもします。
もちろん、年によっても。
だからこそ、立秋と言っても、地域によっては、
まだまだ暑い、ということが起こるのです。
つまり、そもそも「今、暑いか涼しいか」を教えるための
暦ではなかった、ということですよね。
そう考えると、少し見方が変わってきます。
東洋思想には、「陽が極まると、陰が生まれ始める」という考え方があります。
一年でいちばん陽の気が強いとされる夏至(6月21日ごろ)、
この日を境に、目には見えないところで、少しずつ陰の気が育ち始めている。
暑さのピークは、まだ続いていたとしても、
立秋というのは、その「見えない陰の育ち」に、
気づかせてくれる日、なのです。
暑さが引くから秋、ではなく、
1年の中で太陽の高さも、
陰陽のバランスも、少しずつ変化しているのです。
そう考えると、今年のように
「酷暑日」という新しい言葉まで生まれるほどの暑さの中でも、
立秋は、涼しさの合図ではなく、
もっと奥の方で、確かに何かが動き始めていることを、
教えてくれている、ということがわかると思います。
数値でわかる暑さと、目に見えない気配。
どっちもあるのが季節、なのです。
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