週末は、ホールアース自然学校にて、2週間前に収穫した稲の脱穀でした。

稲は、刈った後、しばらくはざ木に掛けて(はざかけ)天日干しすることで、乾燥し、うまみが増すのだそうです。

稲から籾(もみ=殻に入ったお米粒)をはずし、さらに籾がらを外して食べられるようにするのが今回の作業です。

ホールアース自然学校では、米→人間が食べる、ぬか→動物の糞と混ぜて有機肥料に、籾がら→炭(籾がら燻炭)にして、田んぼの肥料に、藁→ロバやヤギの餌に・・・と、育てたお米は余すところなく循環させます。
なので、今回の作業も、愛情をこめて、丁寧に。

昨年の脱穀は、2日間「足踏み脱穀機+とうみ」の作業を繰り返したのですが、今回は1日目が雨だったこともあり、より原始的な作業も体験しました。

籾を稲からとる作業、最も原始的な、「指でしごきとる」。これにより、実は今日は、親指が筋肉痛です。みんなで輪になって、黙々と籾をしごき取る風景は、さながら弥生時代のコミュニティ?

こちらは、民具・道具の博物館などでご覧になった方も多いでしょうか?千歯こきです。

Wikipediaによると、千歯こきは元禄期(1600年代終わりから1700年初めにかけて)に発明されたのだそうです。

このあと、籾がらをはずして、食べられるような状態にする作業があります。
これが、思いのほか大変!

おなじみ「瓶の中に入れて棒で突く」以外に、ゴムに挟んで摩擦で取る(これは、米にゴムの色や匂いがつくため、撃沈)、すり鉢でする、板ではさんでごりごり摩擦で取る、など試行錯誤を重ねました。

2枚の大きな板の間に挟んで、二人の人で向かい合い、上の板を前後に擦る(分かりにくい表現ですね・・・)のが最も効率がよかったですが、それでも、せいぜい7割の籾が取れる程度。

これを、さらに選別する、という気の遠い作業が待っています。

30余人が3時間ほど作業して、得られた白米は、せいぜいどんぶり1杯分くらいでした。
よって、この日は新米には、ありつけず・・・

しかし、そこでめげてはいられません。土曜日は、中秋の名月でもあったので、去年のもち米を、これまたすり鉢を用いて手作業で粉にし、お月見団子を作りました。市販の団子粉を用いるよりは、ちょっとざらついていますが、それも「味」となって、なかなかおいしいお団子ができました。

曇った空から、時折満月が顔をのぞかせ、鈴虫や、コオロギや、クツワムシの声を聞きながら、お互い労をねぎらいました。
<つづく>