<脱穀 ~その1~は、こちら>
そして、2日目の日曜日。
ようやく1週間ぶりの快晴!朝からさんさんと日が降り注ぎ、ゆらゆらと地面から湯気のたつ、蒸し暑い日となりました。
この日の脱穀は、ちょっと進化して、「足踏み脱穀機」と「とうみ(唐箕)」を使用しました。
こちらが足踏み脱穀機。レトロな感じが、なかなかいいでしょ?その名も「大竹式 新優勝号」!明治時代になり、千歯こきより効率のよい足踏み式が普及するようになったのだそうです(Wikipediaより)。
足踏みミシンのような感覚で、リズミカルにペダルを踏んでいくと、三角の針金がたくさんついたドラムが回転するのですが、ここに稲の束を当てると、じゃらじゃらじゃらじゃら~ と、小気味の良い音を立てながら、籾がこそぎ取られるわけです。
指でこそげるのと比べてなんて楽で早いのでしょう!しかし、早い分、若干おおざっぱな部分もあり、出来上がりには、藁の屑などが、かなりの量混ざってしまいます。
そこで登場するのが「とうみ(唐箕)」。こちらは、同じくWikipediaによると、1600年代終わりから、1700年代初めにかけて、普及したものだそうです。
ハンドルで、水車のような形の風車を回し、風を起こしているところに、足踏み脱穀機でできた籾+藁屑etcを、上から少しずつ落としていくと、軽い藁屑などが飛ばされていく、というものです。
インコなどの鳥を飼っていらっしゃる方であれば、鳥の食べ残した餌の殻を飛ばすように、電気機器や自動車の解体、分別、リサイクルに携わっていらっしゃる方であれば、この分別の要領で、質量分析などに関わってらっしゃる方であれば、ToF(Time of Flight)質量分析装置のように(シツコイ?)・・・とでも言えばよいでしょうか。
シンプルだけれど、よく出来た仕組みです。
とうみによる分別を何回か繰り返し、さらに取り除けなかったゴミや石を手で取り除くと、籾が得られます。
これらの作業をする時は、藁やら、ほこりやら、虫やら、ゴミやら色々飛ぶので、こんな格好で(向かって右が私)。
こちらは、脱穀マンとなった息子です。あれ??
2日目は、どうしても新米にありつきたかったので、この後は、平成時代の文明の利器、コイン精米機にお世話になり、ようやく白米を得ることができました。
「お米ができるまでの苦労がわかりました」などという、あまりにありふれた感想は書くのは、芸がないですが、腰をかがめて田植えをし、暑い中をヒエ取りに励み、空と大地を見て、祈り、丹精込めて、慈しんで稲を育てて、ようやく刈り入れ!となった後も、口に入れられるようになるまでには、気の遠くなるような地道な作業があるのだな、ということを今回改めて実感しました。
もちろん、今の農業は、このような手作業ではなくて、コンバインやハーベスターなど石油で動く機械の力も借りているわけですが、それでも毎日お米をいただくことができる、というのがどれだけ贅沢なことか、たくさんの先人の知恵や、今も農業にたずさわる方々の手があってなのだということを、改めて考えなくてはいけないのだと思いました。
2日間の作業・・・正確に言うと、昨年冬の田起こしからの作業を経て、ようやくお昼にいただくことのできた新米(24合!!)の「バクダンおにぎり」の美味しかったこと!最高の贅沢でした。
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