怒涛の2週間の真っ只中ですが、今日は、出社前に小学校の読み聞かせボランティアに行ってきました。

息子のいる1年1組。

読み聞かせをさせていただけると決まって、私が迷うことなく選んだ本は、いとうえみこさんと伊藤泰寛さんの写真絵本、「うちに あかちゃんが うまれるの」(ポプラ社)。

いとうえみこさんは、4人のお子さんの美しいお母さんであるだけでなく、私も入っている「自然育児友の会」の理事でもいらっしゃる方です。

この本は、末のお子さんのそらとくんが産まれたときのことを、おねえさんのまなかちゃん(当時6さい)の視線から描いた絵本で、写真はプロのカメラマンでもあるご主人によるものです。

新しい命を待つ喜びにあふれたこの本は、すべての「かつて赤ちゃんだった人」に読んでほしい本。息子には何度も何度も読み聞かせていますし、卒園した保育園にもプレゼントしました。

でも実は、この本を読むと決めてから、私の心の中に少しの迷いも生じました。クラス全体に読む、ということをしたときに、当然お母様と一緒に暮らしていない子、お母様のいらっしゃらない子、ひょっとすると虐待を受けた経験のある子もいるわけで、そのような小さい人たちに向けて、どのような言葉を選び、話しかけようか、という迷いです。

たとえ今、どのような状況にあろうとも、少なくともこの世に生を受けた時は、みんな祝福されて産まれて来たんだよ、ということを伝えたい、でもその思いがどうやったらうまく伝わるか・・・ということ。

そこで、えみこさんご本人にその迷いを投げかけてみました。「誰もが待たれて生まれてきたいのち」と題された長いお返事をいただき、それに背中を押されました。誰もが命がけで産まれて来た、ということ、それだけで素晴らしいことなんだなぁ、と。

前置きが長くなってしまいました。

少しどきどきしながら、でもすごくわくわくしながら、息子と一緒に登校。

これまで、たくさんの素敵な本を読んでもらっている子どもたちは、時間になると、私の椅子を準備してくれ、期待に満ちた顔で集まって来ました。

今回は、写真絵本だったので、これまで見てきた「絵本」と少し違うかもしれません。

少し難しい部分は言葉を添えながら読んでいると、みんな食い入るように見ながら、「すごいねぇ」、「可愛いねぇ」、と感想を述べたり、自分の心臓に手をあてて、音を確認したり。

私が赤ちゃんだった頃のことをおうちで聞いてみよう、ぼくの赤ちゃんのときの写真もあるよ、という言葉をとても嬉しく聞きました。

いとうえみこさんの写真絵本は、このほかに

そらとくんが、初めての一歩をふみ出した時の「いっぽ にほ さんぽ!」

大学生の頃からしょうがいをもつ子どもたちと関わってきたえみこさんの「忘れ得ぬ人」であるのぶくんのことを書いた「きょう のぶに あったよ」

そして、つい最近産声を上げた「おめでとう たいせつなあなたへ」
があります。

お子さんのある方も、ない方も、しょうがいのある方も、ないかたも、精一杯生きている方に、生きたいと思っている方に読んでいただきたい本たちです。

少し授業を参観させていただいたあと、温かい気持ちで隣駅まで歩こうと張り切ったのですが・・・案の定道に迷い、ずいぶん遠回りしてしまいました。

そう、私は方向音痴なんです・・・。