保育園の隣に、「玉川学園子ども広場」と言う名前の、一辺60mほどの敷地がある(坪数で言うと、1000坪以上)。
住民と市の意向で、通常の公園に置いてあるような遊具の一切ない、昔ながらの原っぱは、保育園、児童館(学童保育を含む)、老人介護施設と接している。
園庭の狭い保育園の子どもたちは、雨さえ降っていなければ、ほとんど毎日のようにこの通称「ひろば」で駆け回ったり、虫を観察したり、花を摘んだりしている。

この貴重な原っぱ、でも実は全ての住民に親しまれる場であるとは言い難い。犬の糞やらゴミが落ちていることはしょっちゅうだし、草ぼうぼうで、人の手がほとんど入っていないため「怖い」と感じる人も多いらしい。

1年以上前に一人の母の呼びかけに応じた何人かの母親たちの間で、「広場、なんとかしたいね」という話が盛り上がり、「広場で楽しく遊び隊」というグループが立ち上がった。当初は4人。

保育園母ばかりだから、皆忙しい合間を縫って、第一回イベントとして、昨年夏に「広場の草刈り・堆肥作り」を企画、開催した。

動き始めて知ったのだが、この貴重で大きな空き地には、実は色んな人のいろんな思惑やら、希望やら、「ちぇっ」やらが絡んでいた。
市主催の「意見交換会」なるものに参加したら、皆それぞれの思い入れ、意見があり、何も進まない、混沌。
市も、あまり関わりたくない様子。

そんな中、私たち「遊び隊」もどうやれば地域の住民やら施設とぶつかることなく、この広場に子どもも大人も老人も気持ちよく遊びに来れるか考え、ディスカッションをし、草の根運動をして、ネゴをして、チラシやら作って(呼びかけてくれたリーダー的母は育児休職中で大活躍)草刈りはなんとか無事、気持ちよく終了した。

それをきっかけに、「遊び隊」仲間も増えて今や保育園以外も含め8家族。そして、今回、「子ども広場で紙飛行機・紙とんぼを飛ばそう」イベントを企画、日曜日に行った。

この話がスタートしたのは、昨年暮れ。次のイベント、何しようか?子どもだけじゃなくて、老若男女みんなが広場に集まれるようなイベントにしたいね、と話が進み、私は、そういえば・・・と「町田紙飛行機倶楽部」の話をした。

育児休職中リーダー的母が、素晴らしい行動力であれよあれよと言う間に「町田紙飛行機倶楽部」の代表とコンタクト、近所の方やら、市役所やらとネゴ・・・。

メンバーのそれぞれのスタンスの違いから、一時期はもめそうになったこともあったけれど、皆で率直な意見、素直な気持ちを言い合い、お互いを思いやり、納得することができ、企画、広報、イベント開催に至った。

「町田紙飛行機倶楽部」のおじさま(~おじいさま)達は、張り切って10人ものメンバーが来てくださると言う。子どもの数よりおじさまの数が多かったらどうしよう・・・などと言う心配もあった。

・・・が、ふたを開けてびっくり!子どもの数80名以上。未就学児が多かったから、大人も入れると多分200名以上は、いただろう。

大盛況のイベントとなった。お店もゲームも何もないけれど、広場を目一杯使って、大きい人も小さい人も、夢中になって遊んでいた。
チラシやら葉書で作ったとりどりの飛行機(なんと10名のおじさま方は、全て違う秘伝のレシピやらグッズを持参してきてくださった)が空たかーく、たかーく上がって旋回するさまは、本当に素晴らしかった。

倶楽部のおじさま~おじいさま方は、ちょっと鼻の穴を膨らませて、子どもたちをそれを尊敬の眼差しで見上げ、ちょっと若い大人は、「まいった!」と・・・。

紆余曲折あったけれど、やってよかった、うまくいってよかった。みんなの笑顔と歓声が、頭でっかちになり勝ちの私に元気を与えてくれた。