去年は「森と畑のようちえん」5回シリーズだったホールアース自然学校だが、今年度からはぐんと増えて、偶数月が「森と畑のようちえん」、奇数月は「森と田んぼのようちえん」。
5月は母子ともに発熱してしまったため残念ながらキャンセルし、この週末初めての「森たん」参加。
あまりに、あまりに盛りだくさんだったので、時系列で箇条書きに(と言いつつ、だらだら長い文章になっている)・・・。<1日目>

☆田んぼのひえ取り
5月に田植えをしたホールアース田んぼは、去年に引き続あいがも農法で行おうとしていた。
ところが、今年はなぜかカラスが大繁殖、ゴルゴ必死の努力にも関わらず、すべての雛たちがカラスにやられてしまった。
なので、田んぼは、ひえをはじめとした雑草がたくさん。
新しく入手したあいがも雛たちを入れる前に、大きくなった雑草は人間が取らなくてはいけないため、「ひえ取り」。
田植えや稲刈りのような、派手で楽しい「ハレ」の作業より、むしろこういう地味な「ケ」の作業に興味があった私。
一方で、軟弱者の自分に、そんな作業ができるのだろうか?また、みんなに迷惑をかけてしまうのではないだろうか?
慎重派で、汚れるのがあまり好きじゃない息子も、この作業に参加するだろうか?と数々の不安があった。
最初に、よく似ている稲とひえの見分け方を教わり・・・楽しんだ。
もちろんあの一枚の田を一人で、来る日も来る日も雑草取りをしなくてはいけないのだとしたら、とても自分にはそんな大変なことはできないかもしれない。
でも、おそるおそる入った田んぼは、おっかなびっくりの私たちもちゃんと受け止めてくれた。
泥の中に生えているひえやイグサなどの雑草はざくざくと簡単に抜け、手ごたえばっちり。
息子も、最初ちょっとべそをかきかけたが(手をつないだ私がバランスをくずしたため、泥の中に転んでしまい・・・ごめんよ、息子)、すぐに立ち直り、絶妙なバランス感覚の確かな足取りでどんどん草を抜いて行った。

すぐに飽きるかと思ったが、なかなかたくましく、頼もしく、ずいぶん長い間大人とともに作業をした。

 

☆ネット張り

前日に生まれたばかりの雛40羽を田んぼに放すのだが、今度こそ、絶対にカラスにやられないように、前回にまして慎重にネットを張らなくてはならない。

すっかり慣れたロープワークを駆使し、みんなで協力をし、18m×18mのネットを張った。

 

☆あいがも池作り

そして、田んぼに出ない間あいがも達が遊べるように池を掘る。

これは、かなり大変な作業。だけれど、やる気満々のみんなの手にかかれば、ちょちょいのちょい。

☆あいがも入水式
産まれたばかり、初めて泳ぐ雛たちを優しく池に放つ子どもたち。
そして、そのあとは、ネットの下にある小屋に「ここがお家だよ」と言い聞かせながら一羽一羽入れてやる。

あいがもの雛たちは、姿も動きも愛らしく、いつまで見ていても飽きない。大人も子どもも「母性本能くすぐられた」顔をしていた。

 

☆ホタル狩り

みんなで作った美味しい夕食、大騒ぎの子どもお風呂の後、今回は夏の特別企画、ホタル狩り。
マイクロバスに乗り、20分ほど行った田貫湖近くの沢に到着、そこから1キロ弱ほど歩いただろうか、その間中ずっと何十、何百、いやひょっとしたら何千?ものホタルが瞬き続けた。
真っ暗な中に沢の音、木々のざわめき、すこし霧でぼんやりとした中にシンクロする光を見ていると、夢なんだか、現実なんだか、本当にわからなくなってくる。
シャーレにしばらくの間入ってもらったホタルを観察。
雄と雌の見分け方、関東のゲンジボタルは4秒ごとに光るけれど、関西は2秒ごとだということ、日本には、蛍が60数種類(だっけ?)もいるけれど、水辺に住むのはたった3種類だということ、また、光らない種類も多いこと・・・等々ゴルゴ博士からの講義。

もちろん、その間息子は、ぴったりゴルゴのそばに。文字通り夢のような贈り物をいただいたひと時だった。

 

☆子ども就寝、大人のトークタイム

今回は、名付けに対する思いなどで盛り上がり、この秋保育士の試験を受ける研修生スタッフくんの熱き想いなどを聞いたり、小学生のキャンプの話に涙ぐんだり。

<2日目>

☆動物のお世話
もちろん恒例の動物のお世話。息子は今回、ロバ、ポニー、ヤギのコース(もう一つはニワトリ、ウサギのコース)。
先月産まれたばかりだった山羊の子は、2まわりほど大きくなり、でもまだ子ども子どもした感じがなんとも愛らしい。

餌を食べる時に台に両手をあげるさまも微笑を誘う。

 

☆犬の散歩とあいがも餌やり

その後は、サンとアモ(二頭の犬)を散歩させながら、あいがも達に餌やり(まだ田んぼで働いてもらうには少し早いらしい)。日本の田んぼの風景、大好き。
☆川遊び
そして、もう一つのメインイベント、川遊び。ホールアースの敷地内を流れる芝川でカヌーに乗ったり、生き物を捕まえたり。
今回は体調もよく、私もカヌーに挑戦。
最初は川を上るのに苦労したが、「あ、クロールと同じだ!」とコツをつかんでからは、はまった!
水の上をすいすい滑ることも楽しいし、低い目線で岸辺を見るのも新鮮。
もちろん、川の水も気持ちいい・・・。
息子は、最初の数回は父や私と乗ったが、そのあとは若いスタッフに乗せてもらい、より過激な遊びを。カヌーから落ちるんじゃないかという程の激しい水の掛け合いを楽しんでいた。
そうそう、一度、ターザン渡り用のタイヤに乗ってぶらんこしたいと、私のカヌーに乗った息子。
しかし、カヌーから下がっているタイヤに乗り移った時点で、私は、自分ひとりで、息子を支え、背中を押しながら、カヌーを停留させる技量はないと気付いた。
あ、流される。
慌ててはやたを引きずり降ろすよりは態勢を立て直す方がよいと判断、息子に「お母さん、ちょっと離れちゃうかもしれないけれど、必ず迎えに来るから、泣かないで、手を離さないで待っていてね」と言い残し、流される。
万が一息子が落ちた場合を考え、周囲にいたスタッフに「助けて!」と声をかける。
そして、息子に「大丈夫、お母さんは必ず行くから」と声をかけながら必死に漕ぐ、漕ぐ。
息子も不安げな顔で、でもロープにしがみつく。あれは、数十秒だったのか、数分だったのか?
そんなに長くはなかったはず、でも、いったん流され、態勢を立て直し、息子を迎えにいくまでの間、かなり必死だった私。
夫は岸から冷静に写真を撮っていたから、きっとそんなに危ない感じではなかったのだろう(もちろん、プログラム内での川遊びだから、川の流れもプロが見極め、常にスタッフが目をくばり、危険のないようにケアされている)。

とは言っても、私と息子は、そんな余裕はない。我ながら、「母は強し」だった。

というわけで、いつもに増して盛りだくさんだった今回の「ようちえん」。親も子も、たっぷり夏を満喫、遊び倒した週末だった。真黒に焼け、何十もブヨに刺され、爪の間は真っ黒になり、また一回りもふた回りも、息子は、成長したようだ。