うちのご近所に、昭和薬科大学という大学があります。

この大学の薬用植物園、総面積1万8000平米以上と、日本でも有数の広さを誇るのだそうで、以前から行ってみたいと思いながら、なかなかチャンスがありませんでした。

ようやく昨日、「薬草教室」に合わせて、息子と一緒に訪れることができました。

昭和薬科大学の周りは、毎週のように通っているのですが、中に入るのは、初めて。思いがけず緑豊かな丘が広がり、その時点で心がわくわくおどりました。

薬草教室の今回のテーマは、北島潤一先生による「風邪症候群に用いる漢方処方について」。20~30人程度の講座かと思っていたら、なんと400人収容できる教室が、ほぼ満席。息子は、ダントツの最年少 ^^

1時間ほどかけて、葛根湯とその周辺の漢方薬、民間薬の成り立ちについて習いました。

2000年の経験と理論のほんの入り口をノックした程度ですが、面白かった。

その後は、お待ちかねの園内見学。自由に散策するもよし、先生について、色々な植物の説明を受けるもよし。薬用植物園の中の植物は、もちろんホメオパシーのレメディになっているものもたくさんあります。

こちらは、観葉植物としてもよく知られている芍薬。

もともとは、白い控えめな花だったのだそうですが、今はほとんどが、ピンクや赤の華やかな大輪を咲かせます。

葛根湯にも含まれ、漢方では、血のめぐりを良くし、陰に効く(つまり、婦人科系に親和性がある)のだそうです。具体的な作用としては、血行を良くし、筋肉のけいれんを抑える、痛みを抑える、下痢を止める・・・など。

Paeonと言う名の、ホメオパシーのレメディにもなっています。。主に直腸、肛門、膀胱、気管支、静脈、中枢神経周りに関係が深く、出血を伴う潰瘍、腹部に脱力感があり、肛門が焼けるような感じのする突然の下痢の時などに使われます。

同じく葛根湯に含まれる麻黄。

エフェドラを含むため、中枢神経を興奮させる作用があります。漢方薬としては、熱をさまし、咳を鎮める。

炎症を抑え、湿を治すのだそうです。

少し種は違いますが、Ephedra Vulgarisというのが、ホメオパシーのレメディになっているようです。

そのほかにも、レメディとなっている有名どころの植物がたくさん。

クリスマスローズ(Helleborus Niger) 事故や衝撃の後にぼーっとしているのが続く、脳からの命令がうまく筋肉に伝わらない、重く垂れ下がる感じ。

あるいは、不安からくる落ち着きのなさ、など。身体の症状は、突き刺すような痛みや、胃の潰瘍などと関連が深いです。

ヒレハリソウ(Symphytum) 骨折や、眼球の怪我に。

ジギタリス (Digitalis) 心臓の疾患に。

セイヨウオトギリソウ (Hypericum perforatum) 刺し傷、神経が集中している部分の怪我、激しく痛む神経痛。

まだまだ、たくさんありました。今回は、草木のエリアのさらに一部しか回ることができなかったのですが、もう少し大きい木のあるエリア、林になっているエリア、温室などもあり、見応えがありそうです。

気持ちのよい散歩道でもあり、おたまじゃくしや、トンボの産卵も見られ、息子もご機嫌。せっかく近いのだし、ちょくちょく訪れようと思います。