テストも成績表もなく、自治と体験に基づいた学びを大切にし、「自由な」教育を行なっている息子の学校は、年中いつでも見学が自由です。

だからもちろん、普段はジャージを着ている先生が急にネクタイを締めて、予定調和的な授業を行う、なんてこともありません。

年に一度くらいは担任(=学校長)と面談を行いたいと思い、今週行くことを計画していたら、息子がいそいそとわたしが取るべき行動を書き出してくれました。

と言うのも、みんなてんでばらばらな場所に散ってしまうから。

息子曰く、「木曜日もいいんだけれど、もう1泊して水曜日(今日)も見て行ったらいいのに…」
なぜなら、去年から取り組んでいる森の再生のために、山に入って、樹の皮むきをするから。

森の再生に関しては、2010年から通っている「アファンの森」の記事(→☆)で何度も書いているので割愛しますが、屈強な木こりたちに任せることなく子どもや女性でもできる方法として最近着目されているのが皮むき間伐。

樹が混み合いすぎて育つことができなくなっているところの樹を間引くのに、従来のようにそのまま切り倒すのではなく、樹皮を剥いて、時間をかけて立ち枯れさせる方法です。

そうすることで、倒す時には樹の水分が充分に抜けて軽く扱いやすくなるし、材としても均一に天然乾燥されて使いやすくなる、と言うメリットがあるのです。

昨年、息子たちは、一定のルールに従って、育ちの悪い樹をマーキングしてきました。今年いよいよ皮むき。でも、水分の抜けた樹を倒す頃には息子は卒業してしまっているから、下の学年の子たちに譲って行くのです。何世代も先まで考える山の保護の基本を学んでいます。

行きたかったなぁ。

でも、わたしが行く予定の明日も里山の獣害対策や、放置されていたものを譲り受けた茶畑の茶摘みをするそうで、それも楽しみ。

なにより、思春期で、「見にこないで」と言ってもおかしくないような息子が、いそいそとオススメ行程を考えてくれていることが嬉しいのです。本当に満たされているのだなぁ、ありがたいなぁ、と。

というわけで、またレポートします。