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2日目の日曜日は、労働の日(と言っても、半日弱なので、かわいいものですが)、田起こしです。

刈り入れ後の田んぼは、来年に向けて秋と春の2回、田起こしをします。

半年間かけて稲を育ててくれた大地に鍬をいれ、酸素を入れることで土壌生物を活性化させるのです。

このときに、肥料も一緒に漉き込んだりもします。

去年は、籾殻を蒸し焼きにして作った籾殻薫炭(もみがらくんたん)を入れましたが、今年は、ゴルゴ(ホールアース名物スタッフであり、息子の憧れのヒーロー。農業、林業、何でもできる、文字通りの「お百姓」さん)こだわりの竹堆肥を使用。

竹が堆肥になるなんて、オドロキだったので、私は興味津々。

~~ゴルゴは、地域の山の竹害を非常に気にしており、竹林の手入れも手がけています。私も、仕事の関係で竹にちょっと、関わることがあったりもしたので、来るたびに竹の増える山や、自宅近辺の竹林が気になっていたり、竹の有効利用に関しては、なんとなく心にかかっていました。竹炭を作るための炭小屋作りを提案したのですが、色々な理由により、あっさり却下された経緯もあります~~

竹は、抗菌性も高いし、なんとなくイメージとして栄養分も少ない感じがするので、堆肥にはうまくならないのではないか、という先入観がありました。

でも、確かに堆肥になれば、ケイ素(Si)も多く含むし、田んぼ(イネ科の植物は、育つのにケイ素を必要とします)の肥料としては最適なのかも!

とは言うものの、やはり竹単独では肥料になりづらく、鶏糞や、バーク堆肥(樹皮や木屑で作る堆肥)と混ぜて作るのだそうです

山積みされている竹堆肥は、さらさらとして、香ばしい土の匂いがしました。うーむ、先入観は、いけない、いけない。

ホールアースの田んぼに竹堆肥を入れることで、循環がホールアース内を超えて地域にまで広がっていく・・・なんとなく嬉しいことです。

道具の説明を受けたあと、いよいよ田起こし。

昨シーズンの田起こしは、年が明けてから行ったため、土がカチカチに固まっていて、鍬やスコップを入れるのも一苦労、重労働だった覚えがあります。

でも、今年は、ひと夏水を蓄えた名残りのまだある土が柔らかく、面白いように掘れました。

ざく、ざく、ざく、ざく、土を割り、掘り返し、黙々と、淡々と行っていく作業は、爽快でもあり、土との会話も、仲間との会話も楽しめました。程よく汗をかき、筋肉疲労。

そして今回は、餅つきも行いました。去年は、ひょろひょろと頼りなかった息子も、今年はしっかりとぺったん、ぺったん。美味しいお餅が山ほど出来ました。

今回、ありっちょが最後の「ようちえん」。

私がホールアース自然学校を知ったのは、以前に妹が足しげく通っていたから。

当時乳呑み児のいた私は、興味があったものの、幼児が参加できるプログラムもなく、断念しつつも、常にウェブサイトをチェックしていました。

そして、息子が4歳になったばかりの3年と少し前の夏、ホールアース自然学校で「森のようちえん」が開催されているのを見つけました。これを企画してくれたのがありっちょ。

翌年には、これが「森と畑のようちえん」に進化し、さらに次の年には「森と田んぼのようちえん」も加わり、対象年齢も2年生まで引き上げられ、その間ありっちょは、ゴルゴと共に、ずっと「ようちえん」シリーズに尽力してくれていました。

初めてお会いしたときに、弾ける笑顔で「○○さん(妹の名前)のお姉さん!」と歓迎してくださったのを今でも鮮明に覚えています。

最初の頃は、催行も危ぶまれるほど参加人数も少なく、時にはスタッフの家族が参加してくださったこともある「ようちえん」シリーズが、今や告知と同時に満員御礼になるような人気企画となったのは、ひとえにありっちょ、ゴルゴの心遣い、明るさ、スキルとそれを惜しみなく分けてくれる広い心によるものだと思います。

そんなありっちょが、ホールアースの「ようちえん」を卒園してしまうことは、本当に残念ですが、同時にありっちょがこれから自分でやって行きたいこと、広げたいことにも共感し、強く応援する気持ちもあり、複雑です。

常連一同ありっちょの巣立ちを見守る親のような気持ちだと思います。

2009年締めくくりの「森と田んぼのようちえん」は、ありっちょにエールを送りつつの解散となりました。