夫は、今年度、月に一回、神奈川県の藤野にある、パーマカルチャーセンター・ジャパン(PCCJ)に実習生として通っています。
パーマカルチャー。何度かこのブログでも名前が出てきましたが、初めてお聞きになる方もいらっしゃるかもしれません。
パーマカルチャーと言うのは、1970年代、オーストラリアで、ビル・モリソン(Bill Morrison)とデビッド・ホームグレン(David Holmgren)という二人の方が創始されました。
今のように「サステイナビリティ sustainability=持続可能」という言葉が世の中に認知されるずっと以前から、「恒久的持続可能な環境をつくり出すための農的暮らしのデザイン体系」という考え方を実践し、広める活動をされていました。
もう少し具体的な言葉で言うと、「その土地にあった衣食住をするための暮らし方」ということなのでしょうか。人間を含めた動植物が、できる限り無理なく共生できるような暮らし方を、その土地の気候、風、光、水、土の状態、動物や植物の生態に合わせてデザインすることだと理解しています。
普段の実習は、大人向け、一泊二日のものなので、夫のみが参加していますが、昨日は家族も参加してよいとのことだったので、3人で行ってきました。
今まで「パーマカルチャー」を実践されている所は、いくつか訪れています。
オーストラリアのエコビレッジ、Crystal Waters、同じくオーストラリアの、デジャーデン・ゆかりさんのところ、日本では、安曇野の舎爐夢(シャロム)ヒュッテ、千葉にある中島デコさんのブラウンズ・フィールドなど。
でも今回は、夫が「僕たちの畑」と呼んでいる畑もあり、「他人の場所」ではなく、少しだけ身近に感じられる場所です。
藤野という土地は、学校法人シュタイナー学園があるところでもありますし、私の入っている自然育児友の会の方々も何人も住んでいらっしゃるところで、なんとなく憧れと親しみを持っている土地です。
訪れてみると、なるほどよい空気に満ち溢れ、豊かな山の合間に、昔ながらの家や、個性的な家が、ぽつ ぽつ と建っている気持ちのよい場所でした。多様な樹と花が茂る山は、春特有の少し霞んだ空のもとで、優しい色合いを見せていました(カメラを持っていくのを忘れてしまった!)。
実習生の畑は、山の斜面に沿ってありました。
可愛いお手製の門をくぐると、思い思いの形(実用的でありながら、とても創造的、芸術的であるのも、パーマカルチャーの特徴です)の畑が広がっています。
自宅から持っていった、トウモロコシとかぼちゃの苗や、インゲンの種を一緒に植えさせていただきました。
雑草や、野菜の茎や蔓など食べられない部分を、そのまま畑に残し、マルチ(土を覆うことで、土が乾くことを防いだり、必要以上に雑草が生えることを防ぐ)兼肥料としているので、畑では珍しいシマミミズさんたちもたくさんいました(普通、畑などの土の中にいるのは、フトミミズです)。
息子は、別のグループの方たちに混ざって、夢中で案山子を作っていました (^^ゞ
思い思いの場所でお弁当を食べた後、午後は、田んぼに移り、田起こし。
ホールアース自然学校で、何度か田起こしを経験している息子は、なんと、自ら名乗り出て、マイスコップを使ってお手本を見せていました(!!)物おじしない姿にびっくりです。
冬の間、緑肥となるマメ科の植物(名前を聞いたのに、忘れてしまいました)が撒かれた「お花畑」を、可哀想だけれど、掘り起こしていきました。2時間位かけて、半反ほど。ざくっ、ざくっ、と、普段使わない筋肉を使うのは、心地よいことです。
実は、出かける前は、頭痛やら吐き気で少し体調の悪かった私。でも、藤野の素晴らしい空気と自然、PCCJの素敵な田畑と人々に混ざり、作業しているうちに、すっかり消えて行ってしまいました。好きな場所が増えるのは、嬉しいことです。
追記
今週末の、6坪農園は、こんな感じ。じゃが芋がぐんぐん大きくなり、マリーゴールドが芽を出し始めました。