ここのところ、連日朝6時には出社し、仕事をしていました。

私の本業は、一般企業での研究職。「ワーキングマザー」なので、そう遅くまで仕事をすることはできませんが、それでもここしばらくは、ずいぶん息子に我慢をさせ、夫や実家の母にも助けてもらいました。

そして迎えた昨日のクライマックス。

朝6時から10時まで掛けて、サンプルの最後の仕上げ。

午後1ばんからの測定開始。

1つ目のサンプル・・・失敗。
2つ目のサンプル・・・失敗。
3つ目のサンプルは吹き飛ばされてしまったので、残るは1サンプルのみ。
4つ目のサンプルも、同じ失敗を繰り返してしまうかもしれない。

いったんサンプルを取り出し、一か八かで考えられる唯一の施策をほどこす。失敗したら、サンプルはパー。

午後4時ごろから、4つ目のサンプルの測定を再開。

4つ目のサンプルも、失敗したかのように見えました。

でも、どうしても諦めたくない。時間は刻々と迫っている。それぞれのメンバーが、それぞれの分野で持てる限りの智慧を出し合い、最後の賭け。

そして・・・成功!

すごくすごく限られた分野の、すごくすごくマニアックな実験。でも、そこにいた5人が目撃したのは、ひょっとすると、「世界初」のものかもしれない。

防音設備を施した、地下の狭い暗い実験室。

そこで肩を寄せ合い、測定装置の画面をのぞいていたメンバーの中に、静かな感動が広がりました。

鳥肌が立つような、じわじわとした興奮。

ナノメートル(1ミリの1000000分の1)の世界のできごとでした。