先日、夕飯時に、近所の親しい仲間の家に数組の親子で集まりました。その時の雑談の中で・・・。

「私と、Chez MOMOは、例えて言うなら中国とカナダほど違うよね」
「Chez MOMOと、Aさん(同じ仲間だけれど、その時は不在)は、正反対だけれど、北極と南極みたいだから共通点があるよね」と、友人。

言葉で表現することを仕事としているこの友人は、日頃から自由な発想と、的確な分類、表現をされる方です。私は、いつも憧れと尊敬をもって彼女の発言を聞いています。

その横でまた、大きくうなづき相槌を打つ、別の友人。彼女も、人をみることを専門としている学者さんであり、臨床家です。

そんなお二人の言うことなのだから、きっと正しいのでしょう。ところが、なぜか私はその場で、「うまいこと言うなぁ」と思うと同時に、ひどく悲しくなり、支離滅裂な受け答えをした挙句、その後何日もその「悲しい」気持ちを引きずっていたのです。

なぜそんな気持ちになったのだろう?とその後も折に触れ、考えていました。
そして、私の考え方のパターンに、少し気付いたような気がしました。

私の中の、大きな前提として、「人は、みんな違う」というものがあります。というよりは、ついつい自分の物差しで見てしまいがちなのを、「人は、みんな違う」と毎度自分に言い聞かせているのかもしれません。みんな違う、けれど、少しずつ共感できる点、共通する価値観をみつけ、全然違うものの見方を発見し、そうやって親しくなっていくことを楽しいと感じます。

「人は、みんな違う」と思っているくせに、「違う」と言われて、なぜ悲しくなったのか?なぜ素直に「ほんと、違うね~面白いね~」といえなかったのか?

この部分に、私の中の「とらわれ」、ホメオパシーで言うところの「delusion(妄想)」があるのかもしれません。

「違う人間だけれど、共感できる部分をきっかけに寄り添いたい」と言う想い?甘え?が私の中にあるのでしょう。大好きな仲間だからこそ、同じ時や想いを共有したいという気持ちもあったのかもしれません。

その気持ちが強かったゆえに、「違うね」と言われたときに、なんとなく突き放されたような気がしたのでしょうか?

「違うね」という言葉に、「あなたとは、理解し合えない」と必要以上の意味を付けて受け取ってしまったのでしょうか?

ひとつひとつひも解いていくと、私の受け止め方に、何か偏りがあったのだな、ということが、だんだん浮かび上がってきます。

自分が感じた「悲しい」という気持ちに焦点を当てていくことで、よくわからない、もやもやとした感情を、少しずつ整理し、消化していくこと、昇華させることができます。

そして、自由でありたい私の心は、まだまだ全然自由ではないのだなぁ、と実感します。

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ホメオパシーの勉強の大きな柱の一つに、レメディ(※)の勉強というのがあります。

現在明らかになっているだけでも3000種類とも4000種類とも言われているホメオパシーのレメディ。その一つ一つに、人間と同じような個性があります。

この個性を一つ一つ学んでいくのです。

家庭用の簡単なマテリア・メディカ(レメディの特徴が書かれている百科辞典のようなもの)で、レメディの簡単な特徴を見ただけでは、「えー、こんな人、絶対友達になりたくな~い!」「自分がこんなレメディだって言われたら嫌だなぁ」などと思うようなレメディもあります。

でも、それぞれのレメディをもっと深く勉強していくと、一つ一つの凸凹(でこぼこ)がなんとも愛おしく感じられてくるのです。それは、ちょうど人と知り合って、時にはぶつかることがあっても、知れば知るほど愛おしくなってくるように。

レメディにしても、人にしても、最初の印象、自分のフィルタで見ている部分だけで、「あの人はこういう人」と決めてしまうことは、何か大きなものを見落としてしまうような気がします。

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ずっと昔同僚と交わした会話を思い出しました

「Chez MOMOは、基本的に性善説を支持しているよね」

「そうかもね」

「僕は、性悪説だな」

「ふーん」
「最初はいい人だったのに、成長とともに悪くなるってより、もともとは、悪いんだけれど、それを、一生かかって努力して、いい人になろう、って方が素敵じゃない?」

なるほど!そういう考え方もあるのか・・・!と、その時は、目から鱗が落ちたような気がしました。

行きつ、戻りつ、一つ分かったような気がして、でもまだまだわかっていないことに気付き・・・そんな風にして、寄り道をしながらも、少しずつ進んで行きたい。

そして、私自身、身近な誰かにとっては、One of a kindな人でありたいです。

※ レメディ(remedy)・・・medicineと同様、「薬」という意味ですが、自然療法全般で用いられる薬物でない「おくすり」をremedyと呼びます