小学生の頃に素晴らしい先生との出会いがあったのもあり、小さい頃から理科に魅力を感じていました。

自分の周りには、いつも「不思議!」がたくさんあり、自然界の謎をのぞき見ることにワクワクしていました。

大学の化学科を卒業してからは、20年間、一般企業で研究開発と解析の仕事をしていました。

大好きな仕事でした。

そして今、自然療法の仕事のかたわら、子どもたちのための科学ボランティアや、食品や土壌の放射能解析を行っています。

不思議なことに全部が繋がっているような気がします。

放射能解析なんて、本当はやりたくないことです。

でも、原子力発電所の事故が起きてしまったことは厳然たる事実。ここから子どもたちや自分たちの身を守るしかありません。

自然な暮らしや身土不二、パーマカルチャーを愛してきた、日本の農業を絶対に応援したい私にとって、じゃあ輸入食品、と簡単に割り切れるものでもありません。

放射能測定は、専用の装置がなければできません。

でも、装置があったからと言って、誰でもできるわけではありません。

いえ、実は、誰でも数字を出すことはできるんです。

そこがいいところでもあり、問題であるところでもある。

信頼に足る、きちんとしたデータを市民測定室レベルで出すには、やはりそれなりの丁寧な実験・測定と、細やかな心配りが必要となってきます。

そうやって努力している市民測定室は、全国にもたくさんあります。

出身は理系でなくても、真剣に勉強し、データと真摯に向き合い、知恵を出しながらこつこつと積み上げている、尊敬できる方々は大勢いらっしゃいます。

そんな先輩たちに追いつこうと、私たちも頑張っています。

市民測定室レベル(・・・ここでは、NaIというタイプの検出器の装置レベルでは、という意味です)では、土壌の解析はできないといわれています。

でも、今ある装置、今出せるデータをしゃぶりつくし、自分の手と頭をフル回転させて、なんとか目的に達する努力をする、というのは研究者時代の私が得意としてきたことのはず。

だから、データと格闘しています。

一つ一つ細かく分析して、「ここまでは言える」ということを導き出そうとしています。

たくさんの識者の知恵をいただきながら、でも最後は孤独な試みです。

私も精一杯をやります。

だから、理科の神様、手を貸してください。