あちこちに飛び回る日々を過ごしています。

週末は、感性の色々な部分を刺激された二日間でした。

夫の会社の福利厚生の関係で、劇団四季の「オペラ座の怪人」を鑑賞する機会をいただき・・・やっぱり本物は素晴らしいな、と。

なんとなく、ミュージカルはアメリカ、というような先入観があり、もちろん本場のミュージカルは素晴らしいのですが、何度か見ている劇団四季もそれに負けず劣らず、心を揺さぶられます。

・・・で、それが終わったら一路、いつもの仲間(おおつぶ登山隊)がキャンプを張っている田貫湖へ。

着いたのは、日も落ちてからですが、みんな「おかえり~」と言った感じで迎えてくれました。

こんな無理なスケジュールを強行してでも田貫湖に向かいたかった理由は、なんと我らがゴルゴ隊長が遠くに引っ越してしまうことが決まったから。

最後のおおつぶ企画です。

ゴルゴとの最初の出会いは、息子がまだ4歳だった6年前のホールアース自然学校で。

まだ、息子がこれくらいだった頃。

母から離れることを嫌がっていた息子が、1泊2日の日程が終わる頃には、ゴルゴの手を握って離さず、おしまいには別れたくないと大泣きしました。

以来、ずっとゴルゴは息子の「永遠のヒーロー」でした。

小さい頃は、口癖のように「ゴルゴなら、これできるよね」「ゴルゴは、世界一○○が上手だよね」なんて言っていましたっけ。

フォトアルバムをプレゼントするために、2千数100枚(!)の写真を整理していたのですが、どの写真も、息子の目はひたとゴルゴを見つめています。

畑で作物を育てること(大好きな踏み込み堆肥温床を作ったり、ヤギ小屋の床にミルフィーユ状になった糞をはがし、堆肥を作ったことも・・・)、

動物のお世話をすること(寝ている動物たちをそっと覗いたり、動物小屋で動物と一緒に寝たことも)、

合鴨とお米を育てること(田植え、稲刈りだけではなく、雑草をとることも、足踏み脱穀機を使うことも、最後に感謝を込めて合鴨のお肉をいただくことも、籾殻で翌年のための燻炭をつくることも)、

森のこと、木のこと、畑のことに始まり、川や湖で遊ぶことまで、私たち親も本当にたくさんのことを、通り一遍ではない方法で、ゴルゴとありっちょから教わってきました。

小学生になってからは、もう少しダイナミックにキャンプをしたり、山に登ったり・・・。

自然と共にある、ということをすこーしだけど理解するようになり、一緒に成長した仲間とは、いつのまにか静かな深い絆でつながるようになってきた気がします。

子供たちも、お互いに刺激しあい、成長してきました。

最後の企画は、青木ケ原樹海の散策と洞窟探検。

お約束の雨ですが・・・みんな淡々とレインウェアを着ます。

青木ケ原樹海に来るのは4回目ですが、命豊かなこの森は、いつも穏やかに私たちを迎え入れてくれます。

宮崎駿監督は、あの「もののけ姫」を作るときに、白神山地、屋久島、そしてこの青木ケ原樹海を訪れたのだとか。

「コダマ」のモデルとなったサルノコシカケ。

溶岩ばかりの痩せた土地でも、樹々はこうやって世代交代を繰り返しながら必死に生きています。

そして、同じく4回目の富士風穴へ。

これまでは、夏にしか来たことがなかったので、霧が立ち込める風穴ばかりだったのですが、今回は、こんな感じ。

左に見える穴から降りていきます。

はしごを降りて数メートル歩くと、そこはもう真っ暗闇。

ヘッドライトをつけてしばらく進めば、一年中氷の世界。

都会に住んでいると、本当の暗闇、目の前で手を振っても全く見えない、という体験はめったにできないことです。

みんなで一斉に明かりを消し、ぽたぽた落ちる雫の音に耳を澄まします。鋭敏になる感覚を味わう貴重な時間。

年齢の幅が広く、なかなか一緒に楽しめる活動が少ないのですが、今回は、全員でゆったり樹海を散策し、洞窟に潜れたことがよかったです。

子育ての中の、親子で過ごす時期から、親以外のメンターを見つける大切なこの時期を、ゴルゴやありっちょに導かれ、自然の中でこの仲間と過ごせたことは、本当に幸せなことでした。

私たちの世界も随分広がり、これをきっかけに、土に親しんだり、自給自足をする人達とつながったり、自然との共生について考えられるようになりました。

少し、大げさな言い方をすれば、自分たちが、人間であるということについて謙虚に考えるきっかけとなったようにも思います。

いつか、子供たちが中学生・高校生くらいになったら、青春18切符(って今でもあるの?)でも使って、ゴルゴのところを訪ねてほしいなぁ、なんて密かに考えています。

大人も子供も、この次会うまでに、また一回り成長していたいと願いながら、「またね~!」と手を振った、樹海での解散でした。