藤野にある「里山長屋」のお手伝いに行ったりしながら、新しい家は、夢を言うならば、できる限りセルフビルトで・・・なんて妄想していたこともありますが、現実を見るとそういうわけにもいかず、むしろ、都会のサラリーマン生活をしながらできること、という感じに頭を切り替えています。

長屋で土壁作りをしたときの投稿は、5年前ですが、こちら(→✩

私は、竹の小舞を編むところしかできませんでしたが、夫はその後2回ほど土壁塗りに参加しました。

アプローチを作ったときの投稿は、こちら(→✩

新しい家で絶対に譲れなかったのは、無垢の床と漆喰の壁。

これは、今住んでいる、家をリフォームした時にもこだわった部分で、QOL(Quality of Life)の向上に絶大なる効果があると私は思っています。

で、職人さんたちお忙しい中、とても申し訳なかったのですが、今日は、壁の漆喰塗りをさせていただきに行きました。

昔ながらの漆喰は、空孔率が高くて比表面積が大きい(つまり目に見えないような細かい穴がたくさん空いている)ので、空気を浄化したり、湿度を調整する能力がとても高く、またアルカリ性なのでカビも寄せ付けません。

私たちの今の家がエアコンなしでも快適でいられるのは、漆喰と無垢の床のお陰だと思っています。

同じような材料として珪藻土が知られていますが、珪藻土はバインダー(糊のようなもの)を入れる必要があるのに対し、漆喰は、それだけで二酸化炭素を吸いながら、自ら固まっていくので、バインダーなし100%のものが使えます。
(たぶん、珪藻土は、アルカリでもないと思います)

バインダーが入っていないため、素人が塗るのは難しいと言われているので、人目に付くところはプロにお任せし、私たちは、物入れの中の一部の塗りに加わらせていただくことになりました。

残念ながら、竹の小舞ではないですが・・・まずは、ボードの上に刷毛やローラーで下地を塗ります。

絵の具もそうですが均一に「ベタ塗り」するのは、意外と難しい。

職人さんたちは、この下地も綺麗に素早くコテで塗っていきます。

色々な形のコテを使い分けるのですか?とお聞きしたところ、形はそんなに重要ではなく、むしろ板の部分の厚みを、0.3ミリとか0.5ミリとか使い分けるのだとのお答え。

びっくり!

そして、漆喰。

仕上がりは、ややクリーム色がかったほとんど白なのですが、塗る前は、こんな色で少し心配になったり。

思っていたよりずっと薄く、硬いパンにバターを塗るように均一に塗っていきます。

私の感覚では、ケーキのクリーム仕上げとか、壺に仕込んだ味噌の表面をならす感じ。

慣れないと、ぼたぼた落としてしまったりしますが、きれいに塗れると嬉しいし、もくもくと塗っていく作業は気持ちが落ち着いて、楽しいです(こう書くと、なんだか相反する感情のようですが、この通りなんです)。

一度塗ってから、少し乾いたところを、もう一度きゅーっとならしていくと、綺麗な艶が出てきます。

職人さんたちは、本当に作業に無駄がなく、一つ一つの動きが美しい。

今日終わったところ・・・と、写真をお見せしたかったのですが、撮るのを忘れてしまいました。

息子を急かすことをしたくなかった、というのもあり、思っていたほどに作業は進みませんでしたが、まあいいでしょう。

また続きをしに行きます。

こちらは、造作で作っていただいた、私の仕事専用の本棚。かっこよくて嬉しい♪

そして、あるところに使うために、大工さんは、いくつもいくつも丁寧に箱を作ってくださっています。

頭が下がります。

かぶり付きで見る息子。
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今日は、満月の皆既月食、そしてマヤの暦ではKIN1で新しい1年が始まります。

私も、大きな1歩のための書類を提出してきました。

身の引き締まる思いです。