藤野にある、「里山長屋」をご存知ですか?

藤野のパーマカルチャーセンタージャパンの塾卒業生と講師が中心となって、4世帯で現代版(というか、未来版?)長屋暮らしを始めるのだそうで、今、その長屋を建築中です。

土壁作りを一緒に体験させていただけるとのことで、昨日家族で行ってきました。

建築家であり、この長屋の住人にもなる山田貴宏さんの、「土壁十ヶ条」によると、土壁は

(1)竹を刈る
(2)竹を割る
(3)小舞を編む
(4)藁を調達する
(5)藁を切る
(6)土を調達する
(7)水と藁と土を練る
(8)土を寝かせる
(9)荒壁をつける
(10)裏返しをする

の手順で作るのだそうです。

一般に「漆喰塗りを体験したよ~」などと言うのは・・・この後に来る中塗りの、さらに後の上塗りなのですって(しかも、通常は、こんな手の込んだことはせずに、下にパネルが張ってあったりするのですね)、道は長い!

持続可能な住まいを目指す「里山長屋」は、自然エネルギーを取り入れられる設計、地元の木材、環境負荷の少ない瓦、手仕事の職人さんなどさまざまな所にこだわっており、一つ一つ自分たちの足で回り、目で確かめて、話し合いながら進めたそうで、そのお話もとても興味深くうかがいました。

柱は、思わず見入ってしまうほどに、丁寧に、複雑にそして美しく組んであります。

一番手前に、コミュニティスペースなどを含む共有スペース、ゲストルーム、その奥に4世帯分がつながっています(間に道具置き場あり)。

プライバシーとシェアリングをうまく組み合わせた、まさに理想的な住まいのように思います。

昨日行った作業は、手前から2件目、小林家の(2)竹を割ると、(3)小舞を編むでした。

壁となる部分に、藁縄を使って、細く割った竹を格子状に組み合わせていくのが、竹小舞かきです。藁縄は、麻紐や棕櫚紐と比較すると扱いづらいですが、竹や木を組んだり結んだり、という作業はホールアース自然学校でも何度も繰り返している作業なので、教えていただき、コツがわかってくると無心になって没頭できる、楽しい作業です。

夫と組み、二人がかりで一日作業して出来たのは2枚半ほどの面積でした。長い長い地道な手作業です。

こちらは、竹割り器で竹を割る息子。

息子曰く、5等分、6等分、10等分に切る器具があったのだそうです。誰に似たのか、人懐っこく、私たちの手を離れて、どんどん他の方に作業を教わったりしています。
「若旦那!」なんて呼ばれていました(笑)。

お昼は、みかえさんお手製のマクロランチ。美味なり~。たくさん作ってきてくださり、頭の下がる思いです。

今日作ったところ。

里山長屋に関しては、ブログに詳しく書かれています。

作業も楽しかったのですが、何より、集まっていらっしゃる住人の方々が温かく、個性的で素敵でした。藤野の地も相変わらず良い気に満ちていました。

また、是非とも作業をさせていただきに、訪れたいと思いました。

好きな場所が、また一つ増え、幸せです。