Chez MOMOには、たくさんの方が、心の不調、身体の不調を訴えていらっしゃいます。
心と身体は、必ずつながっているので、どのような場合も、その方の人生丸ごとの物語を聞かせていただきます。
お話を聞いていると、最近に限らず、ずっと幼い頃からの「怒り」を胸に秘めている方がたくさんいらっしゃると感じます。
とは言っても、日本人は、「私は怒っています」とあからさまに言うことは少なく、その怒りは、低い自己評価、いらだち、悔しさ、不安などの形をとって表現されるのです。
現代ホメオパシー界における二大巨匠のうちの、西の雄であるイタリアのMassimo Mangialavoriによる本が昨年出たので、読んでみました。(ちなみに、東の雄は、私も半年間の講義を受講したインドのRajan Sankaranです)
“Homeopathy for Anger and Mortification”
さまざまなレメディ(がぴったり合う人)が、どのようなことに怒りや屈辱を感じるか、それをどのように表現するか、体の症状としてはどのように出て来るか・・・等々多くの治癒例をもとに細かく描かれており、薄いですが充実した本でした。
******
たとえば、Ipecacuanhaというアカネ科灌木から作られるレメディ。
家庭の救急箱的には、激しい吐き気があるけれど、吐いてもよくならない場合などに使われます。
Ipecacの人は(Ipecacと同じようなエネルギーを持ち、これを飲むことで、身体や心の問題の多くが解消されるような人という意味です)、怒りや屈辱を感じた時に、これが感情としてはあまり出てこずに(なので人に理解されにくい)、消化器や呼吸器の問題として出てきます。
また、イライラから自己破壊的な行動に出ることが多く、これは無意識の怪我であったり、あるいは、人間関係を破壊してしまうような言葉であったり行動であったりすることもあります。
幼いころから、色々なことに一人で向き合わなくてはいけなかった、という経験が多いため、「サポートされていない」と言う不安感が常にあり、些細なこと(トイレに行く、一人で寝る、歯が生える、etc)でも不安を感じるのです。
******
ホメオパスの仕事は、大きく2つのステップに分かれます。
まずは、クライアントさんの身体や心の不調、感じていること、人生の物語をお聞きすることで、その方の持つエネルギーを知ること(コンサルテーション)。
そして、そのクライアントさんの持つエネルギーと最も近い質や強さを持った自然界の物質を見つけること(分析とレメディ選択)です。
現在わかっているだけで、3000~4000種類の自然界の物質がレメディになっていると言われています。
ですから、私たちホメオパスは、常日頃からレメディの勉強や、自然界の物質の観察を行っているのです。
コンサルテーションの最中に、「こんなことを言うのは恥ずかしいのですが」や、「こんなことを言うと軽蔑されてしまうかもしれませんが」とおっしゃるクライアントさんもいらっしゃいます。
でも、決してそんなことはありません。
レメディの勉強をすればするほど、それぞれのレメディにはたくさんの側面や事情があることが理解でき、「良い」「悪い」など評価する気持ちはなくなり、どのレメディに対しても自然と愛おしさが湧き上がってくるのです。
お話を聞けば聞くほど、どのクライアントさんにも、なんとしても心身健やかに、心地よく日々を過ごしていただけるようになってほしい、と願うようになります。
一つ一つの出会いに感謝しながら、こつこつと勉強も続けて行きたいと思っています。
- 投稿タグ
- ipecac, ホメオパシー療法家, ホメオパシー, レメディ, ホメオパス, Massimo, マッシモ, Massimo Mangialavori, Rajan Sankaran, 怒り
コメント