三連休の週末は、「例の」仲間たちと南アルプスの仙丈ケ岳登山に行ってきました。
3週間前も田んぼのヒエ取り(雑草取り)をしたホールアース自然学校「森のようちえん」シリーズの卒業生たち、農作業仲間あらため「おおつぶ登山隊」です。
実は思っていたほど多くない日本で標高3000メートルを超す山(3033m)で、今回、私の家族にとっては、初めての山テントも体験しました(とは言っても、駒仙テント場という、広い初心者向けのテント場での泊まりですが)。
金曜日の夜に出発し、素泊まりの宿で仮眠を取った後は、短い距離ではあるけれど、テントを担いでのテント場入り。
南アルプスが1年で一番混む週末、ということで、始発のバス(5時半発)に乗って行ったにも関わらず、キャンプ場には、すでにかなりの数のテントが張られていました。
これまで何回か経験しているオートキャンプのキャンプ場と異なり、ここに集う人たちの目的は、「山に登る」こと。
テントや食料、炊事セットも軽くコンパクトに。夜も早くて、とてもストイックな雰囲気です。
とはいえ、小さい人たちは遊び名人。冷たい川にみんなで力を合わせて「苔島」建設!
明日に備え、「夕飯」の豚汁を食べた後は、なんと午後7時には就寝。翌朝は、4時起床。簡単な食事を済ませて薄暗い中の5時出発です。
梅雨明け前、霧と雨が交互に来るような、あいにくのお天気でしたが、この子供たちは、「自然は自分たちの意のままにはならない」ということを充分に知っていますから、誰も文句は言いません。
ゴルゴ隊長の後ろには最年少の2年生、そして続く6人の小学生たち。
雨上がりで滑りやすい、岩ごろごろの道ですが、みんな着実に地面を踏みしめます。毎週ラグビーを頑張っている息子も、時折小さい子をかばいながら、安定した歩きを見せてくれました。
仙丈ケ岳は、日本百名山の一つですが、同時に花の百名山の一つとしても数えられ、たくさんの高山植物を見ることができます。
森林限界を過ぎたころから、ハイマツが見られるようになり、その間に可憐な高山植物がたくさん見られました。
高山植物って、自分を主張しすぎない、そして健気に生きている感じがとても好きです。
残念ながら、コンパクトカメラが壊れてしまって写真が撮れなかったのですが・・・ミヤマキンバイ、コケモモ、ハクサンイチゲ、ツマトリソウ、ウラジロナナカマド、キバナシャクナゲ、オヤマノエンドウ、チングルマ、イワカガミ、ミネズオウ、コメバツガザクラ、イワツメクサ、イワウメ、イワベンケイ、ミヤマシオガマ、ギンリョウソウなど、見ることができました。
仙丈ケ岳の高山植物は、こちらのサイトでたくさん見られます。
頂上が近づくと、傾斜80°の岩場も。両手両足を使って登ります(うー、携帯の写真はいまいち・・・)。小さい人たちは、面白い!もうジャングルジムでは物足りなーい!と^^。
雪のまだ残るところも。
あと少しで頂上!の小仙丈ケ岳。なんか前回の富士登山と言い、こんな真っ白な背景の写真ばかり(笑)。
雨合羽って、色鮮やかで可愛い~!
頂上は、風も強く、かなり寒かったです。
晴れていれば南アルプス連峰はもちろん、富士山まで見えるのだそうですが、今回は、視界はそんなによくはなく、お隣の甲斐駒ケ岳と鳳凰三山が少し見えた程度でした。
それでも、時々日がさすと美しいカール(氷河によって削られた地形)や雪渓が見られ、なんだかヨーデルでも歌いたくなるような(歌えないけれど)気分でした。
人間気圧計の私は、天候のせいもあり、やはりキャンプ場入りしたころから、ずっと軽く鈍い頭痛がしていました。
でもそれも、意識するとある、という程度のもので、歩くこと、登ること、眺めること、充分に楽しむことができました。
4月に体調を崩すまで、5~12キロ程度のランニングを続けていたので、そのお陰かもしれませんし、バスに乗る前にとったレメディ(ホメオパシー)のお陰かもしれません。
<ちなみに、「高山病のレメディ」として有名なのは、cocaや、carb-v、cocculusなどです。Cocculusは、移動に身体がついていけないために具合が悪くなるようなときに向いていますから、山道のバスに乗るときの「酔い止め」にもなります。>
ただ、やはり標高2800メートルを超えたあたりからは、少し動くと息が上がるような感じがありましたから、富士山を目指すのであれば、もう少しちゃんと身体を作っていかなくてはいけないかも。
筋肉痛は、ゼロ!でした。わーい。
13時間の登山を終え、寝る前の息子に、「一度も『疲れた』とか『足が痛い』とか言わずに、よく最後まで荷物を背負って頑張ったね」と声をかけたところ、
「もちろん全然疲れなかったわけじゃないけれど、そんなことを言っている暇がないくらいに、山登り全体が楽しくてしょうがなかった。霧が下から上がってきたり、雲が見えたり、普段と全然違うところから景色が見えることが最高に面白い。」とのこと。
そんなことを考えながら歩いていたんだ・・・とちょっと私も感慨深かったです。
今回は、入門コースという位置づけで、食糧の多くや、ファーストエイドなどはゴルゴが100リットル(!)のザックに背負って来てくれました。
道具の説明やキャンプ場での気持ちのよい過ごし方、山での注意点など、準備の段階から丁寧に説明してくれたので初心者の私たちでも安心して快適に暮らし、登ることが出来ました。
スタッフとして一緒に登ってくれた元祖・山ガールのおっきーも、ザックの使い方のコツ、食の楽しみ方など、たくさんのtipsを教えてくれました。
参加者それぞれが持ち寄った調理器具、ストーブなども比較できて面白かった。
山は怖い、というイメージが、私の中にはまだあります。
でもこうやって信頼できる人たちに一つ一つ教わりながら体験することで、山に畏敬の念を持ちながらも、少しその中で遊ばせてもらえる方法を身につけて来れているのかな。
この夏は、家族で登山をすることが増えそうです。