第100回全国高校ラグビー大会(通称:花園@大阪)が今日の決勝で終了。

息子たちが初戦で当たった桐蔭学園は、高校生とは思えない技術と破壊力で昨年に引き続き2連覇。見事なラグビーを見せてくれた。

小学校、中学校で一緒に練習した仲間たちが、大活躍していたのも嬉しかった。

そして、改めて、初戦敗退とはいえ、息子たちのチームもこのような相手にすごい善戦をしたなぁ、とも思う。

今年は、【コロナ禍】ということで、本当に異例なことが多かった中で、グラウンド外でも多くのドラマがあった。

もちろんスポーツをやる以上勝つことも大事ではあるが、息子の学校では、学校教育、人間教育の一環としてのラグビーをとても大切にしている。

多くの学校にいる女子マネージャーがこの学校にはいない。

先輩ママによれば、これは、途中で怪我などにより選手を続けられなくなった子たちの仕事や居場所を残しておくためだとか。

3年生になると最後の試合である花園へは、レギュラーに入らなかった子も、怪我をしている子もOneTeamとして一緒に行動し、各所でサポート任務にあたる。

今年の3年生は33人。

監督の英断もあり、怪我により途中で選手を断念した子たち(息子も含まれる)も含め、受験のための参考書を携え、一人も欠けることなく花園に向かうことができた。

無観客が定められ、グラウンドに入れるのも、選手、監督、コーチ、スタッフすべて含めて40名と厳格な人数制限が言わたされていた花園ラグビー場。

レギュラーメンバーに入れなかった1、2年生や学校の仲間、保護者は、涙をのんでオンラインで応援。

グラウンド前まで同行した顧問教諭や、コーチの1名は3年生にその枠を譲ったが、それでも6名はどうしても入れない。

子どもたちの間で話し合い、決めて、入れなかった6名はグラウンドの外でネット観戦。

もちろん、全員入りたい、チームとして一緒に応援したい、見守りたい。
どの子にとっても辛い決断だったと思う。

そんな切ない思いも残して帰宅した洗濯物を分けていたら、見覚えのないものがいくつか。

短パンやヘッドキャップは、入学時に購入したものであるが、Aチームの公式ジャージは、試合の前にメンバーが発表され、渡されるもの。

そして、学校名の入ったマウスピースは、歯科医である学校OBのご厚意で花園前に全員に作っていただけたのだそうだ。
(ラグビー用のマウスピースは、一人一人歯型を取って手作りでつくられる)

どちらも本来であれば、出場する選手にだけ渡されるようなものである。

スポーツという厳しい世界を考えると、賛否はあるのかもしれない。

でも、あまりに我慢することの多すぎた高校生にとって、愛のあふれる配慮が本当にありがたいと思った。

毎日何時間もの時間を共に過ごし、辛いことも楽しいことも、泣いたり笑ったり、
たくさんのことを乗り越えてきた。

大きな怪我の多いスポーツで、中にはもう一生スポーツをしてはいけないと言われてしまった子もいる。

近い距離で時にポジションも争うから、きっとぶつかることもあっただろうし、
悔しい思いもあったと思うが、10年、20年とよい仲間でいられるのではないか、いてほしいと思う。

実は夫も元ラガーマンなのだが、ラグビーなんて野蛮なスポーツ、と思っていたわたしに、こんなに楽しい時間や仲間をたくさん分けてくれた息子にも心から感謝している。

【コロナ禍】での異例の花園大会は、幕をおろし、誰にとってもきっと忘れ得ない年となったわたしたちの2020年も、ようやく終わった。