<続きです。前編はこちら→☆>
そしていよいよ本当の最終は、土曜日に行われた発表DAY。
小学生、中学生とも1年間の活動をさまざまな形で発表する日であり、息子たち中学3年生にとっては、この学校最後の日です。
どのプロジェクトの発表も、また、ダンスや音楽の選択クラスのパフォーマンスも素晴らしかったのですが、今回特に印象に残ったのは、学校全体としていよいよ成熟してきたな、ということ。
学校法人は、27年前に創立したので長く続いているのですが、息子の通う山梨の学校はこの秋で10周年。
息子が入った5年前は、まだ創成期。
新しい土地で新しい人たちを迎えて試行錯誤が続いている時期だったのかもしれません。
この5年の間に、単に子どもたちが成長した、というだけではなくて、学校そのものも厚み、深みを増し、しっかりと根を張り始めた感じがするのです。
それは、一人ひとりの子どもの内面がそれぞれの年齢で豊かに充実してきていることの証のような気もします。
面白いときに居合わせたのかもしれません。
ある少年が個人研究で、3年間コツコツと削り続けた丸木舟。
仕上がらなかったけれど、引き継いでくれる人がいたよ!とすがすがしい顔で教えてくれました。
完成させるだけが目指すことじゃない、長い目で引き継ぐってことも出来るのは、山や森と関わってきたおかげかな。
発表DAYが終わったあと、子どもたちは教室へ。
子を待つ親同士は、校庭で別れを惜しみました。
そう、この学校のもう一つの隠れた特徴は、親同士が、子を抜きにしても本当に仲良く本音で語り合えるような仲間になれたこと。
距離的にはなかなか会えないかもしれないけれど、きっとわたしはこれからもこの仲間に会いに山梨に通うのでしょう。
駅への送迎バスが出発するときは、みんな校門にあつまり「ばいばーい!」と手を振ります。
これも、大好きな一風景。
なかなか教室から出てこない子どもたちは、思い出の机(小学6年生の時に、それぞれが中学で使う自分の勉強机を作ります)にサインを書きあっていました。
卒業の記念にいただいた、学年写真。
16人の仲間たちが(これで中学3年全員です。クラスは中1~中3の縦割りのクラスです)軽トラに乗って笑っている、彼ららしい写真。
きっと一生のかけがえのない友となるでしょう。
四季折々の花が咲き、フルーツを楽しめ、南アルプス連峰と、八ヶ岳と、富士山をのぞめるこの美しい学校で、珠玉のときを過ごすことができました。
***
ここ数か月、学校のことについては意識的に書いてきました。
この学校に通い始めた当初、5年前は公の場で家族のプライバシーについて書くことが、はばかられたので、あまり書いていませんでした。
わたしの仕事である自然療法とは直接の関係はないかもしれません。
もしかしたら、ブログの記事の内容の多くを教育が占めることになってしまうと、「集客」という意味では逆効果かもしれません。
でも、わたしが行っている活動のベースに常にあるのは「平和と共生」への願いである、ということを考えると、やはりここの教育について触れないわけには行かないと思うようになりました。
「まずは子どもを幸せにしよう、すべてはその後に続く」というA.S.ニイルの言葉をかかげ、テストも成績表もない、すべての決まりごとは話し合いで決めて、体験を中心においた学びを実践しているこの学校(きのくに学園と系列校)は、すばらしい学校です。
でも、わたしがこれらの記事を書いている意図は、単にこの学校のすばらしさを訴え、この学校の子たちを自慢することにあるわけではないのです。
この学校に入ったごく一握りの子たちだけがラッキーな子であってはいけないと思うのです。
今の「一歩でも人より前に」「一秒でも人より早く」「少しでも上へ」を目指すような、それでありながら、一方で「みんな同じ」「模範的な回答」をよしとする教育に息苦しさを感じているひとは少なからずいるように思います。
すこし風通しよくなり、今の教育では苦しいと感じている子や親が楽になるといいな、そして一人ひとりがきちんと考えられる豊かな社会になるといいな、との願いを込めて書いています。
学校の教育、という観点で書いていますが、必ずしもこのような学校に行かずとも、親や大人の考え方ひとつで世界はぐんと広がると信じています。
先回りをしたり、手を出さず、見守り、何度でも失敗を許し、何度でもチャレンジさせる。
子どもを対等な人間として扱い、まずは言い分を聞き、意見を交わし、解決策を見出していく。
いろいろな子の凸凹をありのままに受け容れ、本当に必要な時にだけ、最小限の手助けをする…など。
この学校に通いたいと決めたのは息子ですが、親であるわたしたちは冷ややかな目で見られたこともありますし、ごく身近な人から「可哀想!」という言葉を投げられたこともあります。
「それは、理想的だけれど現実的じゃないよね」なんて言われることはしょっちゅうです。
今の社会情勢のなかで、大きな冒険だとは思っています。
でも、気づけばいつだってチャレンジャーでパイオニアだったわたし、そしてわたしたち夫婦を選んで産まれてきてくれた息子らしい選択なのかな、とも思っています。
このような考え方が広まることは、みんなが幸せで豊かと感じられる社会になるために、そして日本が国際社会の責任ある一員であるために、とても大切なことなのではないかと思っています。
どうぞ、必要としている方に届きますように。
これまで学校のことについて書いた投稿は以下です(上ほど新しい記事です)。
「自由な学校の教育 ~卒業 前編~」(→☆)
「0からファイナル・「0からカフェ」@Yolo」(→☆)
「【0から食堂・ファイナル! ~後編~】」(→☆)
「【0から食堂・ファイナル! ~前編~】」(→☆)
「命をいただく ~中学生編 その3~」(→☆)
「命をいただく ~中学生編 その2~」(→☆)
「命をいただく ~中学生編 その1~」(→☆)
「忙しいのは、心を亡くすことなのか? ~0から食堂~」(→☆)
「自由な学校の教育・・・獣害対策と収穫祭」(→☆)
「自由な学校の教育・・・受験<後編>」(→☆)
「自由な学校の教育・・・受験<前編>」(→☆)
「自由な学校の教育・・・「いじめ」」(→☆)
「人の役に立つことは、強制されるべきものなのか?」(→☆)
「タテマエでない切磋琢磨」(→☆)
「自由な学校の教育・・・里山へ」(→☆)
「自由な学校の教育・・・森へ」(→☆)
「春分」(→☆)
「「0から食堂」に行ってきました」(→☆)
「自由な学校の授業って?」(→☆)
「つくる、たべる、考える」(→☆)
「落ち葉がキラキラ秋祭り 〜オリンピックよりももりあがれ〜」(→☆)
「信じること」(→☆)
「みんなのチカラ」(→☆)
「米粉の研究」(→☆)
「循環する社会の知恵」(→☆)
「待つことの大切さ」 (→☆)
「感性が花開き始めるとき」 (→☆)
「晴れ、ところにより涙の会」 (→☆)
「美味しい納豆のつくり方」 (→☆)
「調べる、考える、伝える」 (→☆)
「そんなオトナでありたい」 (→☆)
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Chez MOMOでは、ホメオパシー、フラワーエッセンス、ジェモセラピーによる健康相談(コンサルテーション)、望診法に基づいた食事指導や、日々の生活を楽しく健やかに過ごすための知恵をお伝えする、各種講座を行っております。
場所は、藤沢ほか、お近くへの出張もご相談に乗ります。
好評の「お台所の救急箱」は、自然育児友の会(国分寺・カフェスロー内)で行っています(→☆)♪
単発でのご参加、まだ残席あるようです。
「家庭のホメオパシー・セルフケア講座」への関心がとても高まってきており、新しいクラスがどんどん始まります。
【第12期 世田谷エリア】
既に始まっているコースですが、振り替えの方のみお受けできます。
第5回 4月5日(木) 10時~
第6回 4月5日(木) 13時半~
第7回 4月18日(水) 10時~
第8回 4月18日(水) 13時半~
第9回・第10回は、調整中です。
【第13期 東久留米エリア】日程変更しています!
お子さん連れの方も参加しやすいクラスです。
4月19日スタート、10:30〜13:00です。
<日程(変更になる場合もあります)> 第1回4月19日、第2回 4月26日、第3回 5月7日、第4回 5月22日、第5回 5月29日、第6回 6月4日、第7回 6月12日、第8回 6月18日、第9回 7月10日、第10回 調整中。
【第14期 逗子エリア】
お仲間内で満席になってしまいました。振り替えの方のみお受けできます。
3月20日スタート、月1回の火曜日のコースです。
<日程(変更になる場合もあります)> 第1回 3月20日、第2回 4月17日、第3回 5月15日、第4回 6月5日、第5回 7月3日、第6回 9月4日、第7回 11月6日、第8回 12月4日、第9回 1月8日、第10回 2月5日
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